「サステナブルなメダル」「エコ メダル」という言葉を、最近は法人のお客様からよく聞くようになりました。SDGs調達の一環として、表彰品にも環境配慮を求める動きが広がっているためです。ただ、メダルは金属を熱で溶かして成型する製品であり、製造にエネルギーがかかることも事実です。当社工場(中国・広東省惠州、2010年創業、15年以上)では、この現実を正直にお伝えしたうえで、実際に選べる環境配慮の選択肢をご提案しています。オリジナルメダルのご相談でも、素材と仕様の組み合わせから最適解を探します。

本記事では、環境に配慮したメダル・表彰品の選び方を、①素材比較(亜鉛合金・アルミ・木・アクリル)、②軽量化・梱包・輸送・耐久性という実務、③「言えること/言えないこと」の3つの視点から、工場の立場で解説します。誇張せず、実際に効果のあるポイントだけを挙げます。

「環境に配慮したメダル」とは何を指すのか

先に結論を申し上げます。メダルは金属製品であり、金属はリサイクルできます。これは本当です。一方で、当社の主力であるダイカストは、亜鉛合金を385℃で溶かして金型に射出する工程であり、再溶解にもエネルギーを使います。したがって「カーボンニュートラルなメダル」と断言することはできません。当社工場は、そこを都合よく言い換えたりはしません。

誠実な定義はこうです。環境に配慮したメダルとは、①リサイクル可能な素材を選び、②環境負荷の低い仕上げを可能な範囲で選び、③廃棄されにくい梱包で届ける——この3つを満たすものです。特別な魔法ではなく、選択の積み重ねです。そして、この選択は発注の段階でしか決められません。だからこそ、仕様を決める前に素材と梱包の全体像を把握しておく価値があります。

素材で比較する:亜鉛合金・アルミ・真鍮・鉄・木・アクリル

まず素材を並べます。金属については、当社が実際に扱っている物性値のみを記載します。

素材加工カテゴリ環境配慮の観点注意したい点
亜鉛合金(Zamak 3/5/7)ダイカスト密度6.7g/cm³、融点385℃。リサイクル可能で、当社工場では端材を再溶解して再利用最小肉厚2mm以上が必要
アルミプレス/アルマイト密度2.7g/cm³と金属のなかで軽量。リサイクル性が高い深い立体レリーフは苦手
真鍮プレス密度8.9g/cm³。リサイクル可能重く、3mmを超える板厚はプレスが困難
鉄プレス密度7.8g/cm³。リサイクル可能4mmを超えるとプレスが困難で、防錆処理が必要
木レーザー加工・切削自然素材で、温かみのある風合い湿気の多い環境では反り・割れが起こることがある
アクリル切削・成形金属より軽く、透明感を活かせる金属の質感とめっきは得られない

軽さは輸送段階の環境負荷に直結します。同じサイズなら、アルミは亜鉛合金より軽く、輸送重量を抑えられます。木やアクリルは金属より軽い素材ですが、当社ではこれら非金属素材の工程数値(温度・圧力・公差・重量など)は開示していません。数値のない部分を無理に埋めることはせず、ここでは「金属より軽いカテゴリ」という比較にとどめます。非金属素材の位置づけはメダル素材の比較(アクリル・木)で詳しく解説しています。

素材の選び方の全体像はメダル素材のページでご案内しています。SDGs調達の観点では、まず「リサイクル可能な金属を選ぶ」ことが最初の一歩になります。

軽量化・梱包・輸送・耐久性という実務ポイント

環境配慮は、素材選びより梱包と輸送で差が出ます。ここは当社工場で日々実践している部分です。

  • 軽量化:アルミ(2.7g/cm³)は亜鉛合金(6.7g/cm³)より軽く、同じ枚数を運ぶときの輸送重量を下げられます。海外発送が前提の案件では、この差が積み重なります。
  • 梱包:当社はPP・OPP・チャック袋・ベルベット袋・紙カード・紙箱・ベルベット箱・アクリル箱・ブリスタなど、多様な梱包を用意しています。環境配慮では、個包装のプラスチック袋を省き、紙系のカードや箱を選ぶ、という判断が有効です。
  • 輸送:当社は50カ国以上へ輸出しています。まとめて輸送し、個包装を減らすことは、輸送と廃棄の両方で負荷を下げます。
  • 耐久性:長く使われることが、結果として最もサステナブルです。当社はめっき9工程で耐久性を確保し、鉄には防錆処理を行います。1年で色が変わる安価な仕上げは、買い替えを招くため環境配慮とは言えません。

実際に効く工程の話:めっき9工程とダイカスト

環境配慮を語るとき、工程の実態を避けて通れません。当社工場の数値を挙げます。

亜鉛合金と真鍮のめっきは、9工程で形成します。脱脂 → 超音波洗浄 → アルカリ銅メッキ(約500秒)→ 酸銅メッキ(20〜60分)→ 着色 → 乾燥(トンネル炉 100℃で40分)→ 封油 → 下掛け、という順です。この下地の銅メッキを薄くすると原価は下がりますが、1年で変色しやすくなります。長持ちする仕上げこそが、交換頻度を下げるという意味で環境に効きます。詳しくはめっき9工程で解説しています。

成形は、当社の88トンダイキャスト機で、亜鉛合金を385℃で金型に射出します。金型は金型鋼を用い、EDM(放電加工)でマットな質感も再現します。最小肉厚は2mm以上、最小レリーフは0.4mm(推奨0.6〜0.8mm)、ソフトエナメルの最小入色幅は0.3mmです。設計段階でこれらの下限を守ると、作り直しが減り、材料の無駄も減ります。工程全体は製造工程のページでご案内しています。

リボンも標準化されています。標準リボンは860〜900mm × 20〜30mm、子ども用は800mm × 20mmです。寸法が標準に収まれば、余材を出さずに調達できます。

「言えること」と「言えないこと」:グリーンウォッシュを避ける

環境を語るとき、最も大切なのは誠実さです。当社工場が「言えること」と「言えないこと」を分けて示します。

言えること言えないこと
亜鉛合金・アルミ・真鍮・鉄はリサイクル可能使用済みメダルを当社が回収・再溶解すること
当社工場で端材を再溶解して再利用しているすべての合金ロットの再生材比率を証明すること
個包装を減らし、紙系の梱包を選べるメダルがカーボンニュートラルであること
めっき9工程で長期間使える耐久性を確保しているめっきに環境負荷のない代替工程が存在すること

この線引きをせずに「環境に優しい」とだけ謳うのが、いわゆるグリーンウォッシュです。当社は、証明できないことは主張しません。

認証の意味も正確に押さえてください。当社はBSCI・Disney・ISO9001・Reach・RoHS・TUV Rheinland・Sedex・USJを取得しています。ただし、これらは「環境認証」ではありません。ReachとRoHSは化学物質の規制、ISO9001は品質マネジメント、BSCIとSedexは労働・社会面の適合を示すものです。グリーンという言葉に安易に読み替えず、証明書の適用範囲を確認することをおすすめします。

よくある質問

メダルはリサイクルできますか?

はい。亜鉛合金・アルミ・真鍮・鉄はいずれもリサイクル可能な金属です。当社工場では、自社ラインから出た端材を廃棄せず、再溶解して次の鋳造に回しています。再生材の比率はロットごとのサプライヤー証明が必要になるため、必要な場合はご発注時にお知らせください。

「環境に配慮したメダル」は何を根拠に選べばいいですか?

素材(リサイクル可能な金属か)、仕上げ(耐久性があり長く使えるか)、梱包(プラスチックを減らせるか)の3点で判断してください。「環境に優しい」という言葉だけでは根拠になりません。証明できる範囲を明示できる工場を選ぶことが、結果として最も安全です。

木製・アクリルのメダルはサステナブルですか?

木は自然素材で温かみがあり、アクリルは金属より軽いカテゴリの素材です。ただし当社では、これら非金属素材の工程数値(温度・圧力・公差・重量など)は開示していません。環境面の効果を数値で断定することは避け、用途と質感で選ぶことをおすすめします。

カーボンニュートラルなメダルは作れますか?

正直に申し上げると、できません。ダイカストは亜鉛を385℃で溶かし、再溶解にもエネルギーを使います。当社がお約束できるのは、リサイクル可能な素材、耐久性の高い仕上げ、廃棄を減らす梱包です。それ以上の主張はいたしません。

環境配慮でコストは上がりますか?

素材そのものは、亜鉛合金・アルミ・鉄はいずれもリサイクル可能で、追加費用はかかりません。差が出るのは仕上げです。当社のコスト順はメッキ>塗装>電着で、耐久性を優先するとメッキが選ばれます。一方、個包装を省く、標準リボンを使うといった判断は、コストを下げながら廃棄も減らせます。

梱包のプラスチックを減らせますか?

はい。個包装のプラスチック袋を省き、紙カードや紙箱などの紙系の梱包に切り替えられます。大会でその場で首にかける運用なら、個包装自体が不要な場合もあります。ご用途をお知らせいただければ、廃棄の少ない梱包をご提案します。


素材と仕様が決まれば、環境配慮の選択肢も具体的にご提案できます。当社はMOQ100個から承り、デザインは無料、24時間でデザイン案をお送りし、量産は7〜15日で対応しています。まずは用途と枚数、そして重視したい点をお知らせください。環境配慮と耐久性のどちらを優先するかによって、最適な素材と仕上げは変わります。法人のSDGs調達としてのご相談は法人向け表彰メダルのページからも承ります。ロゴと数量をお送りいただければ、24時間以内に無料でお見積もりします。