メダルの素材を決めるとき、多くの方が「金属か、そうでないか」の二択で考えます。ところが実際には、金属の中でも亜鉛合金と真鍮は性質が異なり、非金属のアクリルと木にもそれぞれ強みがあります。素材を変えると、重さ、加工できる形、最小ロット、そして1枚あたりの費用がまとめて変わります。デザインの準備はメダルデザインのページでもご案内していますが、ここでは4素材を実データで並べます。

4素材の基本スペック

まず数字で比較します。密度は手に取ったときの重さに、加工法はデザインの自由度に直結します。

項目亜鉛合金真鍮アクリル木
密度約6.6g/cm³約8.5g/cm³約1.2g/cm³約0.5〜0.8g/cm³
加工法ダイキャスト(圧鋳)プレス・切削切削・成形レーザー加工・切削
3D表現立体レリーフが可能平板な浮き彫り厚みを使った表現彫り込み
めっき可能可能不可不可
入色エナメル可エナメル可素材自体に着色塗装・焼き印
最小ロット100枚から有利100枚から有利少量から可能少量から可能
手に取った質感金属の重さ金属の重厚感軽い、透明感温かみ、軽い

亜鉛合金:立体的な表現の標準

亜鉛合金(Zamak 3・5・7)は、当社で最も多く使われる素材です。385℃で溶けた合金を88トンの冷室ダイキャストで金型に押し込みます。流動性が高いため、線幅0.3mm、高さ0.4mmという細かいレリーフまで再現できます。

亜鉛合金が適するのは次のような場合です。

  • ロゴやエンブレムを立体的に見せたい
  • 抜き(オープンワーク)の形状を入れたい
  • めっきで金・銀・銅の色を分けたい
  • エナメルで色を入れたい
  • 100枚以上のロットで、1枚あたりの費用を抑えたい

制約は、最小壁厚が2mmであること、そして金型が必要なため100枚を下回ると割高になることです。

真鍮:重さと格式を求める場合

真鍮は亜鉛合金より密度が高く、約8.5g/cm³です。同じサイズでも明らかに重く、手に取ったときの存在感が違います。プレス加工や切削で成形するため、深い彫り込みや複雑な3Dは苦手ですが、平滑な面と地金の金色が持ち味です。

項目亜鉛合金真鍮
密度約6.6g/cm³約8.5g/cm³
相対コスト基準やや高い
3Dの深さ深いレリーフが可能浅い浮き彫りに限られる
最小厚み2mm3mm超
適した用途スポーツ大会、学校行事軍牌、チャレンジコイン、記念品

真鍮は、チャレンジコインのように「持ったときの重さが価値になる」製品に向いています。

アクリル:軽さと透明感

アクリルは密度が約1.2g/cm³で、亜鉛合金の5分の1以下です。軽いため、首に掛けたときの負担が小さく、低年齢の参加賞や大量配布に向いています。また透明や半透明の色が出せるため、光を通すデザインが可能です。

アクリルが適するのは次のような場合です。

  • 小さな子どもに配るため、軽さを最優先したい
  • 透明感のあるデザインにしたい
  • 100枚に満たない枚数で作りたい
  • 予算を抑えたい

制約は、金属の質感と重さが出ないこと、めっきができないことです。立体のレリーフ表現も金属には及びません。

木:温かみと軽さ

木は密度が約0.5〜0.8g/cm³で、4素材の中で最も軽い素材です。レーザー加工で文字や模様を彫り込みます。自然な風合いと温かみがあり、記念品や誕生日のプレゼントとして選ばれます。

項目アクリル木
密度約1.2g/cm³約0.5〜0.8g/cm³
質感つやがあり、透明も可能自然な風合い、温かみ
加工切削・成形レーザー加工・切削
強度割れやすい場合がある衝撃に比較的強い
適した用途参加賞、記念品誕生日、木のぬくもりを活かす記念品

木は屋外や湿気の多い環境では反りや割れが生じることがあります。長期間の保管を前提とする場合は、保管環境に注意してください。

用途別にどの素材を選べばいい?

迷ったときは、優先したい条件から逆算してください。

優先したい条件推奨素材理由
立体感とロゴの再現亜鉛合金ダイキャストで細部まで再現できる
手に取った重厚感真鍮密度8.5g/cm³の重さ
軽さと安全性アクリル密度1.2g/cm³、首への負担が小さい
温かみと自然な風合い木木目の質感がそのまま活きる
1枚あたりの費用アクリル・木(少量)、亜鉛合金(大量)ロットによって最適解が変わる
屋外での耐久性亜鉛合金(ニッケルめっき)耐食性の高い仕上げが選べる

素材と工程の関係

素材によって、その後の工程が変わります。亜鉛合金と真鍮はめっきを行うため、9工程の処理が必要です。除蝋、超音波洗浄、アルカリ銅メッキ500秒、酸銅メッキ20〜60分、着色、不動態化、100℃で40分の乾燥、封油、下掛けという順に進みます。

アクリルと木はめっきを行わないため、この工程が省かれます。その分だけ納期が短くなる場合がありますが、金属の光沢は得られません。

素材を変える場合は、デザインそのものを調整する必要があります。たとえば亜鉛合金で想定した0.3mmの線幅は、木では彫り込みが粗くなるため、太めに調整したほうがきれいに仕上がります。素材ごとの成形の限界は亜鉛合金ダイキャストとはで詳しく解説しています。

よくある質問

アクリルと金属で、見た目はどのくらい違いますか?

金属は光を反射し、重さがあります。アクリルは光を通し、軽い素材です。同じデザインでも受ける印象は異なります。用途が「記念として残す」なら金属、「気軽に配る」ならアクリルが合いやすいと言えます。

木製メダルは長く保管できますか?

直射日光と湿気を避ければ、長期間の保管が可能です。ただし屋外や湿度の高い場所では、反りや割れが生じることがあります。

真鍮と亜鉛合金は見た目で区別できますか?

重量で判断できます。同じサイズなら真鍮のほうが明らかに重く、地金の色も暖かい金色です。めっきを施した後は外観だけでは区別しにくくなります。

4素材で同じデザインを作れますか?

デザインの調整が必要です。金属で成立する細い線は、木では太くする必要があります。逆にアクリルの透明感を金属で再現することはできません。

少量でも金属メダルは作れますか?

金型が必要なため、100枚からのご発注をおすすめしています。100枚に満たない場合は、アクリルや木製、または既存の金型の利用をご提案しています。

サンプルで素材を比べられますか?

はい。複数の素材でサンプルを作り、比較いただくことができます。7〜10日でお届けします。


素材の選択は、用途と予算、そして配る相手が決まれば自ずと絞られます。配る枚数、相手の年齢、重視したい点をお知らせください。4素材から最適なものをご提案し、24時間以内に無料でお見積もりします。お問い合わせからご連絡ください。素材の全体像はメダル素材のページでご案内しています。