メダルの素材選びは、デザインの細かさ・手に持った重さ・耐久性・コストのすべてを左右します。メダル素材ガイドでもご案内していますが、実際に使われる金属は大きく5種類。そのなかでご相談が多いのが、亜鉛合金・真鍮・鉄の3つです。この記事では、MedalOriginの工場でこの3つをどう使い分けているかを率直にご説明します。
結論から申し上げると、当社で受けるオリジナルメダルの約9割は亜鉛合金です。ただし、それが常に正解というわけではありません。予算・重さ・用途によって、真鍮や鉄のほうが合う場面があります。
[Image: materials.webp — 亜鉛合金・真鍮・鉄などメダル素材の比較サンプル]
3素材の基本スペック
まず、数字で3つの素材を並べます。
| 項目 | 亜鉛合金 | 真鍮 | 鉄 |
|---|---|---|---|
| 密度 | 6.7 g/cm³ | 8.9 g/cm³ | 7.8 g/cm³ |
| 加工法 | ダイカスト(圧鋳) | プレス(打ち抜き) | プレス(打ち抜き) |
| 最小厚み | 2mm | 3mm超 | 4mm超 |
| 相対コスト | $$ | $$$ | $ |
| 適した用途 | 3D造形・抜き・複雑な形、大量生産 | 重量感・軍牌・チャレンジコイン | 予算重視・単純な形・大量配布 |
亜鉛合金:もっとも汎用性が高い
亜鉛合金(Zamak 3・5・7)は、当社で一番多く使う素材です。オリジナルメダルの標準素材とお考えください。
亜鉛合金が強い理由
- 3Dの再現力:385℃で溶けた亜鉛合金は金型の隅々まで流れ込み、プレス加工では出せない細かな立体を再現します。
- 抜き(オープンワーク)デザインが可能:ダイカストは、メダルに穴を開けたような抜き形状を一体成形できる唯一の製法です。
- めっきの乗りが良い:鏡面金・古美色・七彩色まで、どのめっきも亜鉛合金では美しく仕上がります。
- コスト効率:素材が安く、ダイカストは15〜30秒/ショットの高速サイクル。当社では1日30,000個以上を生産しています。
真鍮:重みと格式
真鍮は軍用メダルやチャレンジコイン、記念品で長く使われてきた素材です。
真鍮の特徴
- 重厚感:8.9g/cm³と亜鉛合金より明らかに重く、手に取ったときの「価値感」が違います。
- 気孔が少ない:密度が高いぶん内部の空気穴が少なく、研磨面がムラなく仕上がります。
- 自然な金色:地金そのものが暖かい金色で、細かな傷が目立ちにくい面もあります。
真鍮の制約
- コスト:亜鉛合金より20〜40%高くなります。
- 3D表現の限界:プレス加工のため、深い浮き彫りやアンダーカットは出せません。
- 厚みの制約:3mmを超えると正確に打ち抜くのが難しくなります。
鉄:予算を抑えたいときの選択肢
鉄はコスト最優先の選択肢です。
- 安価:3素材のなかで最も安く、単純な形の大量配布に向きます。
- 重さは十分:7.8g/cm³と亜鉛合金より重く、手応えはあります。
- 制約:プレス加工のため3Dの細かさは出せず、めっき前に防錆処理が必要です。
素材はどの基準で選べばいい?
迷ったときは、以下の3つの基準で選んでください。
| 基準 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| デザインの細かさを最優先 | 亜鉛合金 | ダイカストの385℃流動性で細部まで再現 |
| 手に取った重厚感を最優先 | 真鍮 | 密度8.9g/cm³の重量感、格式ある仕上がり |
| コストを最優先 | 鉄 | 単純形状・大量配布で最も安価 |
迷ったら、当社のデザインチームがデザインと予算に合わせて素材を提案します。両方の素材で試作を作って比べていただくことも可能です。デザインの準備方法はオリジナルメダルのデザインガイドをご覧ください。
その他の素材:アルミとステンレス
亜鉛合金・真鍮・鉄のほかに、アルミニウム(2.7g/cm³、軽量で陽極酸化処理と相性が良い)とステンレス(耐食性が抜群で海洋環境向き)も扱っています。軽さを売りにしたいならアルミ、沿岸の大会ならステンレスです。スポーツメダルへの応用はスポーツメダルのページも参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 素材によって価格はどれくらい変わりますか? 亜鉛合金を基準にすると、真鍮は20〜40%高く、鉄は安くなります。めっきや入色の組み合わせでも変わります。
Q. 亜鉛合金は錆びませんか? 素地のままでは錆びますが、電気めっきと封油で保護します。沿岸での使用ならニッケルめっきにエポキシコートを重ねるのがおすすめです。
Q. チャレンジコインにはどの素材が向きますか? 真鍮が定番です。8.9g/cm³の重さがコインの価値感につながります。
Q. 大量配布のメダルを安く作りたいです。 単純な形なら鉄のプレス加工が最も安価です。デザインによっては亜鉛合金のほうがトータルで安くなる場合もあります。
Q. 素材によって納期は変わりますか? ダイカストとプレス加工で工程は異なりますが、どちらも7〜15日の量産納期です。型づくりはダイカストのほうが数日長くかかることがあります。
Q. サンプルで素材の重さを確認できますか? はい、7〜10日で実物サンプルをお送りします。重さや手触りは写真では伝わらないので、ぜひお手に取ってご確認ください。
素材や仕上げの組み合わせで迷ったら、ロゴと数量、ご予算を badgeartisans@gmail.com までお送りください。24時間以内に無料でご提案します。お問い合わせからも承ります。なお、入色(エナメル)の違いについてはソフトエナメルとハードエナメルの記事もあわせてご覧ください。



