名入れのご相談で最も多いのは、「どこまで小さい文字が入りますか」という質問です。次に多いのが「名前が1枚ずつ違っても大丈夫ですか」という質問です。この2つは、実は別々の方式で解決します。文字の大きさは成形と彫刻の物理的な限界に、1枚ずつの違いは工具を使うかどうかに依存します。名入れの全体像は名入れメダルのページでご案内しています。

名入れの3方式

名入れには、レーザー彫刻、レリーフ(金型)、UVプリントの3方式があります。それぞれ仕組みが異なるため、できることとできないことが違います。

方式仕組み色耐久性向いている内容
レーザー彫刻レーザーで最上層を削り、下地の金属色を出す単色高い(摩耗しない)氏名、日付、背番号
レリーフ(金型)金型に文字を刻み、成形時に一体で作る単色(エナメル可)高い大会名、社名、全員共通の文字
UVプリントインクを噴射しUV光で硬化フルカラー中(摩擦に弱い)多色ロゴ、グラデーション

重要な違いは、工具を使うかどうかです。レーザー彫刻とUVプリントは工具を使わないため、1枚ずつ内容が変わっても追加の金型代がかかりません。レリーフは金型に刻むため、内容を変えるには新しい金型が必要です。

可変データの扱い

可変データとは、1枚ずつ内容が異なる情報のことです。氏名、背番号、順位、記録などが該当します。

内容方式追加の金型備考
氏名レーザー彫刻不要名簿をCSV・Excelで受け取る
背番号レーザー彫刻不要番号ごとに1枚ずつ処理
順位レーザー彫刻不要1位〜3位など
記録・タイムレーザー彫刻不要数値を入れる
大会名(全員共通)レリーフ必要(初回のみ)金型に刻み、成形と同時に完成
ロゴ(多色)UVプリント不要ベクターデータから変換

切り分けの原則は、「変わるものは彫刻、変わらないものはレリーフ」です。この原則に従うと、金型代を1回に抑えながら、1枚ずつ異なる情報も入れられます。

名入れできる最小の文字サイズは?

文字の大きさは、方式ごとに下限があります。これらは見た目の好みではなく、物理的な条件です。

項目下限超えるとどうなるか
文字の高さ(判読)1.5mmつぶれて読めなくなる
レーザー彫刻の線幅0.1mm削りが浅く、コントラストが出ない
レリーフの線幅0.3mm385℃の合金が金型の隅まで回らない
レリーフの高さ0.4mm成形時に埋まる
最小内角半径0.3mm角に合金が回らず欠ける
軟質エナメルの入色幅0.3mm塗料が入らず地の色が残る
硬質エナメルの入色幅0.5mm研磨で塗料が削り落とされる

小さい文字を入れたい場合は、レーザー彫刻が最も有利です。線幅0.1mmまで対応できるため、同じ面積により多くの文字を入れられます。ただし色は単色になります。多色で小さい文字を入れたい場合は、UVプリントに切り替えるという判断もあります。

彫刻の見え方

レーザー彫刻は、最上層のめっきを削って下地の金属色を出す方式です。したがって、彫刻した文字の色は、めっきの色によって見え方が変わります。

めっきの色彫刻した文字の見え方コントラスト
金色やや銀色がかった灰色中
銀色(ニッケル)つやのない灰色小
銅色やや明るい金属色中
古美色明るい金属色大

コントラストを強くしたい場合は、彫刻の下地に色を入れる方法があります。これは別工程になるため、費用が加算されます。銀色のめっきに彫刻する場合は、コントラストが小さくなる点を事前にご確認ください。

データの準備

名入れをスムーズに進めるには、データの形式が重要です。

データ推奨形式備考
名簿CSV/Excel氏名・背番号・順位などを列で分ける
ロゴAI/EPS/PDFベクターデータが最も正確
画像のみのロゴPNG(300dpi以上)こちらで作図し、確認いただく
フォント指定書体名またはデータ指定がない場合は当社で選定
位置指定レンダリングで確認24時間以内に無料で作成

名簿は、氏名と対応する情報が1行にまとまっている形式が最も扱いやすくなります。列の並び順は自由ですが、見出しを付けていただけると照合が確実になります。

発注時の注意点

名入れは、梱包の前に行う最後の工程です。したがって、発注後の変更が難しい部分でもあります。

  • 文字の内容は早めに確定する:名簿の確定が遅れると、彫刻工程が後ろにずれます。
  • 判読性を優先する:デザイン上どうしても小さくなる場合は、内容を短くすることを検討してください。
  • コントラストを確認する:めっきの色によっては彫刻が見えにくくなります。サンプルで確認するのが確実です。
  • 名簿の照合を依頼する:梱包前に名簿と突き合わせることで、渡し間違いを防げます。
  • 日本語のフォントを指定する:漢字やひらがなは、レリーフにする場合に線の太さが必要になります。

よくある質問

名前が1枚ずつ違っても追加費用はかかりませんか?

レーザー彫刻は工具を使わないため、追加の金型代はかかりません。可変データの彫刻代は別途発生しますが、金型を作り直す必要はありません。

漢字やひらがなも彫刻できますか?

できます。レーザー彫刻は問題なく対応します。レリーフにする場合は、漢字の線が細いと成形時に埋まるため、事前にレンダリングで確認します。

彫刻と印刷はどちらが長持ちしますか?

レーザー彫刻は金属を削るため摩耗しません。UVプリントは多色を再現できますが、強くこすると経年で薄くなります。長く残したい文字は彫刻、多色のロゴは印刷が適しています。

後から名入れを追加できますか?

納品済みのメダルへの追加彫刻は、在庫をお預かりする必要があるため、基本的にはお受けしていません。初回の発注時に確定することをおすすめします。

文字の色は選べますか?

彫刻の場合は下地の金属色になります。色を入れたい場合は別工程となり、費用が加算されます。UVプリントであればフルカラーで表現できます。

サンプルで名入れを確認できますか?

はい。7〜10日で、実際に彫刻した1枚をお送りします。深さとコントラストをご確認ください。


名入れの内容は、発注の初期段階で確定するほど工程が安定します。入れたい文字、枚数、名簿の有無、ロゴデータの形式をお知らせください。24時間以内に無料デザインとお見積もりをお送りします。お問い合わせからご連絡ください。ロゴデータの入稿方法は大会ロゴをメダルに入れる方法でご案内しています。