「品質は大丈夫ですか」というご質問に対して、「大丈夫です」と答えるだけでは意味がありません。品質は基準と工程で担保されるもので、確認できる形で示す必要があります。当社は首件検査、過程検査、最終検査の3段階で検品を行い、各段階で確認する項目を決めています。オリジナルメダルのご相談でも、検品の体制についてご説明しています。ここでは、実際に何をどう確認しているかを公開します。

三段階検品の全体像

検品は、量産の最初、途中、最後の3回行います。1回の最終検査だけでは、工程の途中で生じた不良を見逃す場合があります。

段階タイミング主な目的確認する内容
首件検査量産の最初の1枚基準の確定金型、めっき、入色、彫刻、寸法
過程検査生産の途中ばらつきの検出めっきの状態、色味、寸法、外観
最終検査出荷の前出荷可否の判断数量、外観、彫刻内容、梱包

3段階に分ける理由は、不良の原因が工程ごとに異なるためです。金型の問題は首件で見つかり、めっきのばらつきは過程で、彫刻の間違いは最終で見つかります。

首件検査で決めること

首件検査は、量産の最初の1枚を確認し、以降の基準を確定する工程です。ここで基準を決めておかないと、途中で判断がぶれます。

確認項目判定の基準
レリーフの深さ最小0.4mm以上、線幅0.3mm以上が再現されているか
最小壁厚2mm以上が確保されているか
めっきの外観色味、光沢、ムラの有無
入色軟質0.3mm、硬質0.5mm以上の幅に色が入っているか
彫刻文字高1.5mm以上、線幅0.1mm以上が判読できるか
寸法指定の直径と厚みに収まっているか
リボン幅、長さ、色が指定どおりか

首件検査で基準を確定したあとは、この基準に沿って過程検査と最終検査を行います。基準を数値で持つことで、担当者が変わっても判断がぶれません。

過程検査で見るばらつき

過程検査は、生産の途中で抜き取り、ばらつきを確認する工程です。ダイキャストは同じ金型を使っても、温度や圧力の微妙な変化で寸法がわずかに動きます。

確認項目ばらつきの許容範囲外れた場合の対応
直径指定寸法の前後わずかな範囲金型の状態を確認する
厚み2mm以上を維持成形条件を調整する
めっきの色味首件の基準と同程度槽の状態と処理時間を確認する
入色の色味色見本と同程度塗料を再調色する
表面の外観気孔、傷、バリがないこと研磨工程を見直す

特に注意するのはめっきの色味です。めっきは槽の状態によって色がわずかに動くため、首件の基準と比較して確認します。この確認を省くと、同じ発注の中で前半と後半で色が違うという事態が起きます。

最終検査では何を確認する?

最終検査は、出荷前の最後の関門です。数量と外観に加えて、彫刻の内容を確認します。

確認項目内容
数量発注数と一致しているか
外観傷、汚れ、めっきの剥がれがないか
彫刻の内容名簿と一致しているか(可変データの場合)
彫刻の位置指定の位置に入っているか
リボン取り付けが指定どおりか
梱包個包装、氏名ラベル、外装の状態

可変データの彫刻を行った場合は、この段階で名簿と突き合わせます。1枚ずつ内容が違うため、照合を省くと渡し間違いが起きます。梱包の前に照合することで、開梱後の手戻りを防げます。

品質を支える工程の条件

検品で見つけられる不良には限界があります。そもそも不良が出にくい工程にしておくことが前提です。当社の工程条件は次のとおりです。

工程条件この条件の意味
溶融温度385℃金型の細部まで合金を回す
鎖模力88トン射出圧に耐えて金型を閉じる
アルカリ銅メッキ500秒密着性の高い下地を作る
酸銅メッキ20〜60分下地を厚く積み、平滑にする
着色60〜180秒指定の色を付与する
乾燥100℃で40分水分を完全に除去する
軟質エナメルの硬化60〜70℃で半硬化、100℃で完全硬化塗料を安定させる

これらの条件を短縮すると、検品では見つからない不良が後から現れます。たとえば乾燥が不十分だと、出荷時は問題なくても、保管中に曇りが出ます。工程の詳細はメダルのめっき9工程で公開しています。

管理体制と認証

検品を含む品質管理体制は、第三者の認証でも確認できます。

認証内容
ISO 9001品質マネジメントシステム
BSCI社会的責任の監査
SGS第三者検査機関による確認
TÜV製品・システムの認証
Sedexサプライチェーンの情報共有

当社は2010年の創業以来、50か国以上に納入しています。1日30,000枚以上の生産能力があり、数量が増えても検品の工程は変えません。100枚でも10,000枚でも、3段階の確認を行います。

よくある質問

検品は全数ですか、抜き取りですか?

最終検査は全数を目視で確認します。過程検査は抜き取りで行い、ばらつきの有無を確認します。彫刻の内容は全数を名簿と照合します。

不良があった場合はどうなりますか?

検品の段階で見つかった不良品は、良品と交換します。出荷後に判明した場合は、状況を確認のうえ対応を協議します。可変データの照合は梱包前に行うため、渡し間違いは起きにくい体制です。

めっきの色味はどうやって判定しますか?

首件検査で確定した基準と比較します。目視に加えて、必要に応じて色見本を用います。槽の状態によって色が動くため、過程検査でも確認します。

最小線幅0.3mmはどうやって確認しますか?

首件検査で実物を拡大して確認します。金型の加工精度と、成形時に合金が回っているかの両方を見る必要があります。

工場の検品体制を事前に確認できますか?

できます。検品の項目と基準をご説明し、必要に応じて工場の写真や認証書をご提供します。

第三者機関の検査を依頼できますか?

可能です。ご希望の検査機関がある場合はお知らせください。手配と日程について協議します。


品質は、発注前の確認と工程の条件で決まります。検品の体制についてご質問があれば、具体的な項目と基準をお伝えします。用途と枚数、気になる点をお知らせください。24時間以内に無料でお見積もりをお送りします。お問い合わせからご連絡ください。生産工程の全体はメダル製造工程で公開しています。

関連商品: メダルの素材ガイド — 素材別の品質基準と選び方はこちら。