大会の1か月前に「メダルを作りたい」とご連絡をいただき、日程を伺うと納期が最も厳しい条件になります。逆に、2か月前にご相談いただければ、サンプルで実物を確認してから量産に入る余裕が生まれます。納期は工場の都合ではなく、工程の順番から決まるものです。オリジナルメダルのご相談でも最初に日程を確認するのは、この理由によります。当社の標準納期が量産7〜15日、サンプル7〜10日である根拠を、工程に沿って説明します。

納期を構成する5つの期間

メダルの納期は、ひとつの数字ではなく5つの期間の合計です。見積書に「7〜15日」と書かれている場合、それは量産工程のみを指しており、デザインのやり取りやサンプルの期間は含まれていません。

期間標準日数内容
デザイン1日3Dレンダリングを作成し、確認いただく
金型製作3〜5日レリーフを金型に加工する
サンプル7〜10日実物を1枚作り、送付して確認いただく
量産7〜15日鋳造、めっき、入色、彫刻、検品
輸送3〜10日航空便または船便、通関を含む

全体で見ると、サンプルを挟む場合は3〜4週間、挟まない場合でも2〜3週間が目安です。大会日から逆算して、この日数を確保できるかどうかが最初の判断になります。

量産7〜15日の中身

量産期間の内訳は次のとおりです。7日で収まるか15日かかるかは、入色の色数、彫刻の有無、数量によって変わります。

工程日数の目安備考
金型の準備1日新規の場合は3〜5日を別途
ダイキャスト1〜3日1サイクル15〜30秒、1日30,000枚以上の能力
バリ取り・研磨1〜2日数量に比例
めっき(9工程)2〜4日アルカリ銅500秒、酸銅20〜60分、乾燥100℃で40分
入色1〜2日色数と硬化時間に依存
彫刻0.5〜1日500枚で約1日
検品・梱包1日3段階の品質管理

このうち時間が読みにくいのはめっきと入色です。めっきは9工程あり、乾燥だけで100℃40分を要します。入色は軟質なら低温60〜70℃で半硬化、そのあと高温100℃で完全硬化の2段階を踏みます。どちらも温度と時間を短縮すると品質が落ちるため、短縮の対象にはしていません。

1日30,000枚という生産能力

当社工場は1日30,000枚以上を生産できます。この数字は、大量の発注を短期間で処理するための前提です。たとえば1,000枚のメダルであれば、ダイキャスト工程そのものは数時間で終わります。

数量ダイキャストの所要時間の目安ボトルネックになる工程
100枚1時間未満金型準備、めっきの段取り
500枚数時間入色、彫刻
1,000枚半日程度めっき、検品
5,000枚2〜3日めっき、梱包

数量が増えたときにボトルネックになるのは、成形ではなくめっきと検品です。めっきは槽に入れられる量に物理的な上限があり、検品は人による確認を含みます。当社はめっきラインを複数持ち、検品を3段階に分けることで、数量が増えても納期が急に伸びないようにしています。

サンプルと量産、納期はどう違う?

サンプルは、量産と同じ工程を経て作る実物1枚です。金型を作り、ダイキャストし、めっきを9工程かけ、入色し、彫刻まで行います。したがって、サンプルができるということは量産の準備が整ったということでもあります。

項目サンプル量産
数量1〜数枚100枚以上
期間7〜10日7〜15日
目的重さ・色・仕上げの確認納品
変更この段階では自由に変更できる金型変更は不可、彫刻は変更可能
費用金型代を含む場合がある金型代は初回のみ

サンプルを挟むと期間は延びますが、量産後に「色が違う」「重さが想定と違う」という手戻りを防げます。特に、チームカラーの再現、レリーフの深さ、リボンの長さは、写真では判断できない部分です。

納期を短くする方法

日程が厳しい場合に効果があるのは、次の順です。

  • 既存の金型を使う:過去に同じデザインで作っていれば、金型製作の3〜5日を削れます。当社では金型を保管しています。
  • 入色をUVプリントに切り替える:エナメルの2段硬化を省けるため、量産7日でのご案内が可能になります。
  • 彫刻を減らす:可変データの彫刻は最終工程で時間を要します。共通の文字をレリーフにすれば、成形と同時に完成します。
  • 数量を分ける:全員分を一度に作らず、表彰対象者の分を先行して作り、参加賞を後から追加する方法もあります。
  • 早めに相談する:デザインのやり取りは修正の回数に依存します。修正が無制限でも、回数が増えれば日数は延びます。

逆に、短縮できないのはめっきの乾燥と入色の硬化です。ここを削ると、変色や剥がれの原因になります。工程の内容はメダルのめっき9工程で公開しています。

海外発送の場合の通関

当社は中国・恵州の工場から出荷し、50か国以上に納入しています。通関書類と追跡番号を付けて発送しますが、税関での手続きには日数がかかる場合があります。日本向けの場合、航空便で数日、船便では2週間以上を見てください。

関税や輸入の手続きについては、中国から輸入する場合の関税・納期・品質管理で詳しく解説しています。

よくある質問

最短で何日で作れますか?

既存の金型を利用でき、入色をUVプリントに切り替えられる場合、量産7日でのご案内が可能です。金型の新規製作が必要な場合は、それに3〜5日が加わります。

1か月前に発注すれば間に合いますか?

デザイン確定から3〜4週間を見ていただくと安心です。1か月前であれば、サンプルを挟むことも可能です。開催日をお知らせいただければ、逆算した日程表をお作りします。

サンプルを省略できますか?

できます。デザインのレンダリングでご確認いただき、そのまま量産に入る方法です。ただし、色と重さは実物でしか確認できないため、初めてのご発注ではサンプルをおすすめしています。

急ぎの場合、追加費用はかかりますか?

既存の金型を使う場合や工程の組み替えで対応できる場合は、追加費用なしで短縮できます。まったく新しい金型を短期間で作る場合は、工程の優先順位を上げる必要があるため、別途ご相談となります。

数量が増えると納期は延びますか?

延びますが、比例はしません。1日30,000枚以上の能力があるため、1,000枚程度では大きな差は出ません。ボトルネックになるのはめっきと検品です。

輸送にどれくらいかかりますか?

航空便で数日、船便では2週間以上が目安です。通関の手続きに日数がかかる場合があります。日本向けの条件はお問い合わせ時にご案内します。


日程が決まっている案件ほど、早い段階でのご相談が有効です。開催日、枚数、デザインの有無をお知らせください。逆算したスケジュールと、間に合わせるための仕様の組み替え案を、24時間以内にお送りします。お問い合わせからご連絡ください。製造工程の全体はメダル製造工程でご案内しています。