野球のメダルは、ほかの球技に比べて「記念品」として残る性格が強いのが特徴です。卒団記念、大会の表彰、リーグの個人賞——渡す場面によって必要な仕様が変わります。スポーツメダルのなかでも、野球は裏面に氏名と背番号を入れる前提で設計することが多く、表面のエンブレムと裏面の彫刻をセットで考える必要があります。片方だけ決めて進めると、あとから「裏に名前を入れたい」となったときに工程を組み直すことになります。
私たちは2010年創業の金属メダル専門メーカー(Badge Artisans/众沐)です。広東省恵州市の自社工場で、金型の製作からダイカスト、めっき、入色、レーザー彫刻、組立までを一貫して行っています。この記事では、野球メダルをご発注いただくときに実際にお伺いしている項目を、工場の目線で順に整理します。
[Image: yakyu-medaru-seisaku-guide.jpg — 野球メダルの製作サンプル]
まず「誰に、いつ渡すか」を決める
最初の打ち合わせで必ず確認するのは、渡す相手と日程です。ここが決まると、サイズ・枚数・仕上げの優先順位が自然に決まります。
| 場面 | 想定枚数 | 推奨サイズ | よく選ばれる仕様 |
|---|---|---|---|
| 少年野球の卒団記念 | 選手20〜40名+指導者 | 60mm | エンブレムのレリーフ+裏面に氏名・背番号・在籍年 |
| 大会の1〜3位表彰 | カテゴリごとに3枚 | 50mm | 金・銀・銅の3色、金型は1回分で共用 |
| リーグの個人賞(MVP・首位打者) | 数枚 | 50〜60mm | レーザー彫刻で受賞者名と記録を入れる |
| 部活動の参加メダル | 部員全員 | 45〜50mm | 1〜2色入色、コストを優先した構成 |
| 草野球・社会人リーグ | チーム数×人数 | 50mm以上 | 古美色、スポンサー名の彫刻 |
| 監督・コーチへの感謝品 | 数枚 | 50〜60mm | 選手用と同系色、裏面に役職と氏名 |
卒団記念のように「あとで手元に残る」用途では、サイズと重さに予算を回す価値があります。逆に全員に配る参加メダルでは、直径を1段下げて入色を絞るほうが満足度は下がりません。
形状はどこまで自由にできるか
野球のメダルは、正円以外の形を選ばれることが多いジャンルです。当社の標準は亜鉛合金(Zamak 3 / 5 / 7)のダイカストで、385℃に溶かした合金を88トンのダイカスト機で金型に射出します。流動性が高いため、正円以外の輪郭や抜き穴も一体で成形できます。
| 形状 | 印象 | 向いている場面 | 金型の難易度 |
|---|---|---|---|
| 正円 | 標準的でまとめやすい | 全員配布、コスト優先 | 標準 |
| ホームベース型 | 五角形で野球と一目でわかる | 大会表彰、記念メダル | やや高い |
| ボール型 | 縫い目を凹部+入色で表現 | 参加メダル、低学年向け | やや高い |
| グローブ型 | 手のひらの形、立体感が強い | 卒団記念 | 高い |
| バットとボール | 2つのモチーフを組み合わせる | 記念大会、周年 | 高い |
形を正円から変えると、金型の加工量が増えるため金型費は上がります。ただし型は1度作れば保管できるため、毎年同じ大会で使う場合は2年目以降は量産費用のみで済みます。形状ごとの金型費と量産単価の目安は、野球メダルのページに標準仕様としてまとめています。
サイズと重さの目安
野球メダルは50mmが基準、60mmが記念品という分かれ方をします。重さは亜鉛合金(密度6.7g/cm³)、厚み2.5mmでの目安です。
| 直径 | 重さの目安 | 適した対象・場面 |
|---|---|---|
| 45mm | 18〜24g | 小学生の部員全員配布、予算を抑えたい場合 |
| 50mm | 24〜32g | 大会表彰の標準、もっとも選ばれるサイズ |
| 60mm | 40〜52g | 卒団記念、総合優勝、手に取った存在感を出したい場合 |
70mm以上の大きなサイズも製作できますが、重さと単価が大きく上がるため、用途がはっきりしている場合に限っておすすめしています。なお薄くしすぎると湯回りが悪くなり、エッジが欠けたり入色が乗らなくなります。最小壁厚は2mmを確保してください。
めっきと入色の選び方
めっきは見た目の印象と耐久性の両方に関わります。屋外の試合が多い野球では、耐食性も選定理由に入ります。
| めっき | 印象 | 適した場面 |
|---|---|---|
| 光沢金 | 格式があり、表彰らしい | 優勝、総合優勝 |
| 光沢ニッケル(銀) | 耐食性が高く、夏の屋外大会に強い | 2位、屋外リーグ |
| 古美金(アンティーク) | 落ち着いた重厚感 | 卒団記念、歴史のあるチーム |
| 銅 | 3位の定番 | 金・銀・銅の3色構成 |
| 二色仕上げ(金+ニッケル) | エンブレムの立体感が際立つ | 記念メダル、周年大会 |
入色はソフトエナメルが標準です。チームカラーをPantoneで指定いただければ、その番号に合わせて調色します。
| 入色の種類 | 仕上がり | 最小入色幅 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ソフトエナメル | 金属の縁が浮き出る凹凸感 | 0.3mm | エンブレム、細い線のあるデザイン |
| ハードエナメル | 表面が平らでなめらか | 0.5mm | 単色のロゴ、高級感を出したい場合 |
| UVプリント | フルカラー、グラデーション可 | 印刷解像度に依存 | 写真や多色のチームロゴ |
エンブレムの細い線を活かしたい場合はソフトエナメル、単色のロゴをすっきり見せたい場合はハードエナメルという選び方が一般的です。軟質エナメルの入色幅が0.3mmを下回ると塗料が入らず地の色が残るため、デザイン段階で線幅を調整します。
背番号と氏名の入れ方
野球メダルで最も多いご要望が、1枚ずつ内容を変える名入れです。
| 入れる内容 | 方式 | 備考 |
|---|---|---|
| 背番号 | レーザー彫刻 | 1枚ずつ内容が変わっても追加の金型代は不要 |
| 氏名 | レーザー彫刻 | 名簿(CSV・Excel)をお送りいただければ照合します |
| 守備位置・記録 | レーザー彫刻 | 個人賞、記念品 |
| チーム名・大会名 | レリーフ(金型) | 全員共通なら金型に刻むほうが単価が下がる |
| 在籍年・開催年 | レリーフ(金型) | 全員共通 |
レーザー彫刻は工具を使わないため、1枚ごとに内容が違っても金型を追加する必要はありません。文字の高さは判読のため1.5mm以上を目安にしてください。これを下回ると彫刻がつぶれて読みにくくなります。
彫刻の方法と注意点はメダルの名入れ・刻印の方法でも詳しくご案内しています。競技が違っても考え方は同じで、サッカーメダルでも背番号の彫刻は多く選ばれています。
工場ではこう作っています
野球メダルの標準的な工程は次のとおりです。模具鋼で金型を起こし、圧铸からめっき、入色、彫刻までを自社工場内でつなぎます。
| 工程 | 内容 | 当社の条件 |
|---|---|---|
| 金型 | 3D図面から刻模、熱処理、火花放電で磨砂効果 | 模具鋼、保管可 |
| ダイカスト | 合金を射出して成形 | 88トン機、385℃ |
| 研磨 | 水口・毛辺の除去、面を整える | 湿式環境対応の研磨機 |
| めっき | 下地から積み上げる9工程 | アルカリ銅約500秒、酸銅20〜60分 |
| 入色 | エナメルを流し込み、焼き付ける | 高温100℃/60分で完全硬化 |
| 彫刻 | 可変内容を1枚ずつ刻む | レーザー彫刻 |
| 検査 | 3段階のQC | 100%合格製品の納品 |
めっきは下地が仕上がりを左右します。アルカリ銅を約500秒かけて打ったうえに酸銅で光泽を出すため、この下地を省くと保管中に変色しやすくなります。工程の全体像はオリジナルメダルの製造工程で公開しています。素材の違いはメダルの素材ガイドにまとめました。
発注の流れと数量
当社の標準フローは、ご相談→24時間以内に無料デザイン→サンプル7〜10日→量産7〜15日です。最小ロットは100枚/1デザイン。1日30,000個以上の生産能力があるため、複数チームをまとめた1000枚規模のご発注でも同じラインで対応します。輸出は50以上の国と地域に実績があります。
| 段階 | 内容 | 期間 |
|---|---|---|
| ご相談 | チーム名・カテゴリ数・枚数・試合日を伺う | — |
| デザイン | エンブレムをレリーフ化した3Dレンダリング | 24時間以内、修正は無制限 |
| サンプル | 実物で立体感・発色・重さを確認 | 7〜10日 |
| 量産 | 金型、圧铸、めっき、入色、彫刻 | 7〜15日 |
| 出荷 | 名簿と照合して梱包、発送 | 輸送3〜10日 |
試合日から逆算して3〜4週間前のご相談が目安です。既存の金型を利用でき、入色をUVプリントに切り替えられる構成であれば、量産7日でのご案内も可能です。競技を横断した構成の比較はオリジナルメダルのページにもまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q. 少年野球の卒団記念として作れますか? はい。卒団記念は当社工場でも多いご依頼のひとつです。チームのエンブレムをレリーフにし、裏面に氏名・背番号・在籍年をレーザー彫刻します。60mm前後が記念品としての存在感を出せます。
Q. ホームベース型やグローブ型にできますか? できます。亜鉛合金のダイカストは正円以外の形状にも対応しており、ホームベース型、ボール型、グローブ型、バットとボールの組み合わせなども製作しています。形状を変えると金型の加工が増えるため、正円より金型代が高くなる点だけご了承ください。
Q. 背番号は1枚ずつ変えられますか? 変えられます。レーザー彫刻は工具を使わないため、1枚ずつ内容が違っても追加の金型代はかかりません。名簿をCSVやExcelでお送りいただければ、梱包前に突き合わせて確認します。
Q. 金・銀・銅の3色を揃えたいです。 同じ金型のままめっきを替えるだけで3色を作れます。金型代は1回分で済むため、色ごとに型を作るより大幅に抑えられます。リボンも同系色に揃えると、表彰式で並べたときにまとまりが出ます。
Q. 屋外の試合で使うので、傷や変色が心配です。 ニッケル(銀色)めっきは耐食性が高く、屋外の使用に向いています。金色の場合はめっきの最終工程で透明コートを重ね、変色を抑えます。下地のアルカリ銅約500秒、酸銅20〜60分という条件を守ることで密着性を確保しています。
Q. 100枚未満でも作れますか? 標準の最小ロットは100枚/1デザインです。それ未満の枚数でも一度ご相談ください。個人賞のように数枚だけ追加したい場合は、既存の金型を流用できるかどうかからご案内します。試合日から逆算して3〜4週間前のご相談が目安です。
チーム名、カテゴリの数、チームカラー、枚数、試合日をお知らせいただければ、24時間以内にエンブレムをレリーフ化した無料デザインとお見積もりをお送りします。100枚から、3段階の品質管理でお受けしています。お問い合わせからもご連絡ください。



